異様な雰囲気の倉庫で、思いっきり遠ざかってドン引きしていた美影が私たちのところに戻ってきた。
「はー」
そして、重いため息をはかれた。
「もういいや、ここで紹介する」
「え!?今!?」
白龍の倉庫はおっきくて、沢山の人がいる。
そんな倉庫の隅に茜専用ルームはあったみたいで。
私たちは今そこから出たばかりの所だから、倉庫の隅っこ。
え、ここで声届くの?
この大きい倉庫は階段があって、そこを登ったところにもちょっとスペースがある。
てっきりそこからやるもんだと思ってた。
てゆーか、美影って大きい声でるの?出せるの?
だってさっきから言葉も淡々としてるし、静かに喋る感じだ。
美影が大きい声って…想像つかない!
なんて考えてウキウキしながら美影をみてると、「ん」といって顎でミッキーに合図した。
…あれ。
「お前ら、いったん静かにしろ!!気づいてる通り話してぇことあるから!」
案の定、ミッキーは美影の合図によって大きい声で呼びかけた。
「ええええっ、美影がやればいいのに!」
みたかったのに!
なんて落胆しながら言うと、「だりぃ」の一言が返ってきた。
おい総長!!しっかりしろ!
なんて考えているうちに、静かになった倉庫。
少しビリっと空気が張り詰める。
美影の目もなんとなくキリッとなった気がした。
いや、いつもキリッとしてるけど。
「こいつ、今日からお前らの仲間。
おい日向。自己紹介」
さっきより少し大きい美影の声は、低いせいか倉庫によく響いた。
「えっ…と、茜と同じ高校に行ってる花崎日向です!み、皆の足引っ張らないように頑張るので、女だからって……、な、
ナメんなよ!!」
皆の目線が集まって、頭がごちゃごちゃになった私はそんなことを口走っていた。
シーーンとなった倉庫で、私の声が響き渡る。
え、や、あ、え。
ナメんなよって何!?恥ずかしすぎる!
不良に憧れた小学生じゃん!
と心の中であわあわしながら赤面していると、
「「ぶはっ!!」」
「ふっ」
「ぎゃああ!なんて恐れ多いこと言ってしまったんだごめんなさいいい!!」
吹き出した幹部四人。
口を緩めて笑う美影。
涙目で焦りまくる私。



