茜はハッと鼻を鳴らしてから、
「オメェの泣き真似、ぜんっぜん可愛くねぇ」
と言った。
はぁ?
「なんなのー!?はぁ?はぁ?はぁ?
茜のばぁぁかっ、女の子に向かって可愛くないとか言うのあり得ないから!
もー…えいっ!」
「はぁ!?だから、やめ、アホが!」
私は茜の顔に向かって手を伸ばして、背伸びして耳を掴み──自分の顔に引き寄せた。
至近距離になった顔に、慌てふためく茜。
ばーかばーか仕返しだもん!
顔を真っ赤にして目をうろうろさせている茜をみて、笑いそうになった私は必死にこらえる。
…可愛いっ!
なんて思ってたのも束の間。
目をうろうろさせていたはずの茜と目が至近距離でガッチリ重なった。
あ、え、ちょ。
目線を合わせるまでなんとも思わなかったけど、合わせた途端茜の顔が整っていたんだと嫌でも気づかされた。
でも、何と無くあった視線がそらせなくって2人で見つめあった状態になる。
だって、なんかそらせないんだもん!
「お前、目線そらせよ!」
「そ、そんなこと言うなら茜がそらしてよ!」
鼻と鼻が当たりそうな距離でみる、イケメンすぎるドアップ。
赤い茜の顔に対等なくらいに私の顔も真っ赤になっていく。
心臓破裂寸前まで目線を合わせて、もう無理ってところで2人同時になんとか目線をそらした。
3メートルぐらい急いで距離を開け、真っ赤になって自分を落ち着かせる茜と私。
そんな私たちをみて
「何やってんだお前ら、バカだな」
という美影の声が聞こえた。
いや、うん、本当にごもっとも!!



