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「じゃあ、日向ちゃんの涙も収まったところで白龍のこと話すな」



「あ、はい!ご迷惑おかけして誠にお恥ずかしい…」



「ったくホントだっつの。抱きついてきた挙げ句の果てには涙までつけやがって」



「もー、茜はほんとにウブだなぁ」



「あ!?ウブじゃねぇし!!!あーー、もうさっさと話せよ朝陽!」






バカにするように呟いた私の声は、横でベッドに腰掛けている茜の耳がしっかりがっちりキャッチしてたみたいで。


思いっきりガン飛ばされた。


だからもともと目つき悪いのに余計に悪くなってて怖いんだってば!やめてよ!



そう思って、チキンな私は目を合わせないようにしながら茜のおでこあたりを睨み返した。





「…ま、まぁまぁ。二人とも落ち着いて。じゃあ話すよ。美影、よろしく」




朝陽さんが言うなら仕方ない、そう思い茜のおでこから目線を反らししっかり前に向き直った。



ちなみに今はまだ、茜専用の部屋。



相変わらず部屋の外から少し騒がしい声が漏れている。



他の白龍の人たち…かな?





「とりあえず、お前に話しておかなくちゃならねえことを話す。白龍は…初代から今まで姫がいなかった。だから、お前が始めての姫になる。他の白龍の奴らはそのことに最初は反対してくるかもしれねぇけど──」






「あ、そのこと、なんだけど」



美影の話し始めた内容に、私は途中で口を挟んだ。




「…?」


小首を傾げた美影に、私は考えていたことを打ち明けた。





「下っ端、として。入れてもらえないかなと思ってるんだけど…」





「「「え!?」」」


「はぁ!?」