姫香ちゃんが女達に睨まれて、怖がってないかという心配が急に頭によぎった

『姫香ちゃん、大丈夫かな?』
と、大勢で群れる男の中から必至に顔を動かし姫香ちゃんを探した


あ、いたいた…… って、え!?


『……姫香、ちゃ…ん?』

……うん、今の顔は見なかったことにしよ



そんなこんなで、またチャイムが何度か鳴り
いまは、もう昼放課

あれから、放課になるたび姫香ちゃんの周りには男どもが集まっていた
廊下には、他クラスからわざわざ出向いてきたのか男どもがわんさかいた

まあ、男どもが増えるにつれもちろん女どもの目がどんどん鋭くなっていたのは言うまでもない

…え、姫香ちゃんの様子?
さっきの顔を見て、怖くて見てないです…


「キャーーー!!」

『うわっ、びっくりした!?』


刹那、女どもの黄色い奇声が上がった
まさか、またあいつらか…?


「キャーー!!」

「陽様ーー!!」

やっぱり、でも今回はまだ“1人”だけのようだからよかった


陽様と呼ばれた1人の男は、この教室に入ってきて
私の席の近くで止まった

「お前が、姫香だな…?」


もちろん、彼の用事は私ではなく話題の美少女転校生の姫香ちゃん