気持ちがちょっと晴れたところで、
午後からはドラマの打ち合わせに行かなければならない私は、トレイを持って立ち上がる。



「あ、もう行くの?」



それに気づいた百合が、今度はサンドイッチを頬張りながら私を見上げた。



「ええ、このあと仕事はいってるのよ。

じゃあ、お先に!」




そう言って、トレイ返却口にテーブルの合間をぬって行く。


まあ、合間をぬう、といっても私のためにみんなテーブルを移動させたりして、道を空けてくれるから、実際は一直線に向かってるだけなんだけどね!





みんなありがとう!!当然だけど!!





という気持ちを込めて、道を空けてくれてくれた人たちに笑顔を振りまく。


あっちも!こっちも!!うふふ!!!




なんてことをしてたから、まさか私に向かって普通に歩いてくる人なんていないと思って油断してたのよね。





ドンッ




気づいた時には、おでこがじんじんしてたわ。