心は手に入らないと知っていたから、 「愛なんてものはいらない。ただ抱いて欲しいだけ。」 そう言って近付いた。 出会ったのは、街外れの小さなバー。 同性愛者の出会いの場であるバーで、僕は彼を見つけた。 一際目立つ彼の容姿、当然引き寄せられたのは僕だけじゃなく…… 何人もが彼に声を掛けていた。 けれど彼は、どの誘いも断った。 僕は声は掛けず、遠目から彼を見るだけだった。