足もとには抱えきれないのではと思えるほどの大きな茶色の紙袋が二つ置いてあった。
手を振る僕を認めると、別人のようなエクボを浮かべた。
家に着くと、僕は荷物を半分持って車から降りた。
「キャーッ!」
彼女の悲鳴と共に荷物が庭にばら撒かれた。
紙袋から飛び出した鳥のささみやりんご、ピーマンなどが、おもちゃ箱を逆さにしたように庭に広がった。
僕はあたりを見回したが、悲鳴の原因はわからなかった。
「いったいどうしたの?」
「これが見えないの!」
原因は彼女の足にまとわり付いているボンだった。
「大丈夫だよ。小犬だし、絶対噛まないから」
僕は腰を折ると、「こっちにいらっしゃい」
と手招きした。
ボンは足をもつれさせ、ブレークダンスを踊るような仕草で寄って来た。
「いい子だ」
頭を撫ぜた。
「可愛いでしょ?」
彼女はダーク・ブルーのフランネルの着地のスカートに付いたボンの白い毛を払いながら、
「ほんと、よく見ると可愛い」
「さぁ友達になるためにも撫ぜてごらん」
彼女は中腰になって、ゆっくりというより恐るおそる手を伸ばした。
手を振る僕を認めると、別人のようなエクボを浮かべた。
家に着くと、僕は荷物を半分持って車から降りた。
「キャーッ!」
彼女の悲鳴と共に荷物が庭にばら撒かれた。
紙袋から飛び出した鳥のささみやりんご、ピーマンなどが、おもちゃ箱を逆さにしたように庭に広がった。
僕はあたりを見回したが、悲鳴の原因はわからなかった。
「いったいどうしたの?」
「これが見えないの!」
原因は彼女の足にまとわり付いているボンだった。
「大丈夫だよ。小犬だし、絶対噛まないから」
僕は腰を折ると、「こっちにいらっしゃい」
と手招きした。
ボンは足をもつれさせ、ブレークダンスを踊るような仕草で寄って来た。
「いい子だ」
頭を撫ぜた。
「可愛いでしょ?」
彼女はダーク・ブルーのフランネルの着地のスカートに付いたボンの白い毛を払いながら、
「ほんと、よく見ると可愛い」
「さぁ友達になるためにも撫ぜてごらん」
彼女は中腰になって、ゆっくりというより恐るおそる手を伸ばした。

