青春を取り戻せ!

「それはどこなのよ?」

「ボンの首輪の中に、マイクロ・フィルムにして縫い込んでおいたのさ」

と言って、僕は高らかに笑った。

「あなた、古い首輪はどうしたのよ!」

「どうしたって、先月捨てたよ」

「馬鹿、大馬鹿!」

僕はさもしいなと思い、次には悲しい気持ちで、口汚くののしり合う二人の姿を見ながら、外に出ようと歩みはじめた。

そしてドアに手を掛けようとした時、カチッと音をたて、ドアが自動的に開きはじめた。

僕はケースを落とすと、無我夢中で拳銃をドアに構えた。

「カッコイイ!ダーティ・ハリーみたい!」

「何だ!?…優紀か」

優紀は僕の前を無言で通り過ぎると、痺れが手足にまわり、黙って目をしばだて、床にへたり込んでいる未美の前にたちふさがった。

僕は唖然と優紀の後姿を見つめた。

優紀の右腕がゼンマイ仕掛けのように引き上げられていった。

バチィーン! 

その腕が未美の頬におろされた。

僕は目を見開いた。

「これは、タツローの純情を踏みにじった分!」

バチィーン!
「これは私の精神的慰謝料」

「そして、これは……」
バチィーン!