「鍵を貸してくれないか?」
「ないわよ!あっても貸さニャイワ~。キャーッ!助けチェ~」
「うるさいな。使用人は帰したろう」
「助けチェ~強盗!」
僕は拳銃を彼女に向け、静かにさせた後、サイドボードに引き金を絞った。
バッシュ! バッシュ!
鍵穴の周辺から微かな煙が立ちのぼった。
戸が開いた。
一列に並んでいる洋酒を無造作に取り除いた。中からジェラルミンケースが覗いた。
拳銃をポケットに突っ込むと、二つの大きなジェラルミンケースを取り出した。
奥に紺のビロードのアルバムのような物と、同じ生地のケースが見付かった。
取り出した。
「キャーッ!!」
未美の腹の底からの絶叫が聞こえた。
アルバムにはダイヤの保証書が入っていた。それを抜き取って丸めると、背広の内ポケットに突っ込んだ。
ケースの中には、むかし駄菓子屋で買い求めたアメ玉ぐらいの大きさのダイヤが入っていた。
震える指で取り上げた。
その途端、眩い光がきらめいた。それは透明に近い石竹色の光だった。
「それに触るナャー!」
未美の声が遠吠えのように聞こえた。それにはかまわず、僕はしげしげと眺めた。思わず吐息の出るような圧倒的な迫力があった。
美しさよりも迫力に魅了された。
「ないわよ!あっても貸さニャイワ~。キャーッ!助けチェ~」
「うるさいな。使用人は帰したろう」
「助けチェ~強盗!」
僕は拳銃を彼女に向け、静かにさせた後、サイドボードに引き金を絞った。
バッシュ! バッシュ!
鍵穴の周辺から微かな煙が立ちのぼった。
戸が開いた。
一列に並んでいる洋酒を無造作に取り除いた。中からジェラルミンケースが覗いた。
拳銃をポケットに突っ込むと、二つの大きなジェラルミンケースを取り出した。
奥に紺のビロードのアルバムのような物と、同じ生地のケースが見付かった。
取り出した。
「キャーッ!!」
未美の腹の底からの絶叫が聞こえた。
アルバムにはダイヤの保証書が入っていた。それを抜き取って丸めると、背広の内ポケットに突っ込んだ。
ケースの中には、むかし駄菓子屋で買い求めたアメ玉ぐらいの大きさのダイヤが入っていた。
震える指で取り上げた。
その途端、眩い光がきらめいた。それは透明に近い石竹色の光だった。
「それに触るナャー!」
未美の声が遠吠えのように聞こえた。それにはかまわず、僕はしげしげと眺めた。思わず吐息の出るような圧倒的な迫力があった。
美しさよりも迫力に魅了された。

