その後、タクシーやレンタカーでは足がつく可能性があるので、社用車を使ったのは敵ながらさすがだなと思った。
「なるほどね。…それから凶器の刺身庖丁に、僕の左手の指紋が残ってたのは何故だ?」
「…何のことだ?」
彼は本当に知らない様子だった。
その時、未美が口を挟んだ。
「それは私がやったことよ。熟睡してるおまえに庖丁を握らせ、その後、ゴミ箱に放り込んでおいたのさ。殺す時に着たおまえのシャツと一緒にね」
さすがに動揺し、左右の確認を怠ったのだろう。……しかし恐ろしい女だ! 急に背筋に悪寒が走った。そして一刻も早くここから退散したくなった。
「ところで、4億とダイヤはどこにあるんだ?」
「それは…」
「駄目よ!喋るニャァ!」
未美は下品に怒鳴った。
「それより約束通り解毒剤をよこしなさいよ」
僕は彼女の視線がサイドボードに一瞬行ったのを見逃さなかった。
「…もう話して貰わなくてもよさそうだな」
用意してきた手袋をはめると、立ち上がり、意識してゆっくり歩き、豪華なサイドボードの前に行った。そして下の戸に手を掛けた。
「何すんダァ!」
鍵が掛かっていた。
材質は堅く丈夫な紫檀で、鍵はシリンダー錠のようだった。きっちり閉まっており、とても簡単にこじ開けられる代物ではなかった。
「なるほどね。…それから凶器の刺身庖丁に、僕の左手の指紋が残ってたのは何故だ?」
「…何のことだ?」
彼は本当に知らない様子だった。
その時、未美が口を挟んだ。
「それは私がやったことよ。熟睡してるおまえに庖丁を握らせ、その後、ゴミ箱に放り込んでおいたのさ。殺す時に着たおまえのシャツと一緒にね」
さすがに動揺し、左右の確認を怠ったのだろう。……しかし恐ろしい女だ! 急に背筋に悪寒が走った。そして一刻も早くここから退散したくなった。
「ところで、4億とダイヤはどこにあるんだ?」
「それは…」
「駄目よ!喋るニャァ!」
未美は下品に怒鳴った。
「それより約束通り解毒剤をよこしなさいよ」
僕は彼女の視線がサイドボードに一瞬行ったのを見逃さなかった。
「…もう話して貰わなくてもよさそうだな」
用意してきた手袋をはめると、立ち上がり、意識してゆっくり歩き、豪華なサイドボードの前に行った。そして下の戸に手を掛けた。
「何すんダァ!」
鍵が掛かっていた。
材質は堅く丈夫な紫檀で、鍵はシリンダー錠のようだった。きっちり閉まっており、とても簡単にこじ開けられる代物ではなかった。

