未美は崩れるように拳銃に覆い被さった。そして彼女の手に…。
銃が僕に向けられた。
次の瞬間、銃口が火を吹いた。
バァシュ!
弾丸は空気を引き裂き、僕の頭をかすめ、壁にめり込んだ。
三人は目を丸くした。期せず不思議なニラメッコが数秒続いた。
彼女の腕の痺れが進行していたのが、僕には幸いしたようだ。
僕は一歩目を夢中で踏み出すと、自分でも驚くほど敏速に動き、彼女の手首に手刀を打ち込んだ。
拳銃は音を立てて床に落ちた。
彼らに騙されたことや、刑務所での生活が、僕の神経を随分太くしてくれているようだった。その意味でも彼らに感謝すべきだなと思った。
今度はゆっくりとそれを掴んだ。
「これで完全に形勢は逆転したようだね。…どうやって僕を殺人犯に仕立て上げたか話してくれるね」
僕は背広の内ポケットに用意していた小型のカセットレコーダーのスイッチを見られないように押すと、椅子に深く腰を沈め、回転式拳銃(リヴォルバァー)を構えた。
「さぁ、なにもかも話してくれ」
白木は立っていることができなくなったようで、だらしなく絨毯に座り込むと、ぎこちない口調で話しはじめた。
――――7年前、君の作ったイオン交換樹脂がダイエット・ブームに便乗するように爆発的に売れ始めた時、ある写真週刊誌に青年実業家特集というのが組まれ、俺はそれに出てしまった。いま考えると軽率なことをした。
銃が僕に向けられた。
次の瞬間、銃口が火を吹いた。
バァシュ!
弾丸は空気を引き裂き、僕の頭をかすめ、壁にめり込んだ。
三人は目を丸くした。期せず不思議なニラメッコが数秒続いた。
彼女の腕の痺れが進行していたのが、僕には幸いしたようだ。
僕は一歩目を夢中で踏み出すと、自分でも驚くほど敏速に動き、彼女の手首に手刀を打ち込んだ。
拳銃は音を立てて床に落ちた。
彼らに騙されたことや、刑務所での生活が、僕の神経を随分太くしてくれているようだった。その意味でも彼らに感謝すべきだなと思った。
今度はゆっくりとそれを掴んだ。
「これで完全に形勢は逆転したようだね。…どうやって僕を殺人犯に仕立て上げたか話してくれるね」
僕は背広の内ポケットに用意していた小型のカセットレコーダーのスイッチを見られないように押すと、椅子に深く腰を沈め、回転式拳銃(リヴォルバァー)を構えた。
「さぁ、なにもかも話してくれ」
白木は立っていることができなくなったようで、だらしなく絨毯に座り込むと、ぎこちない口調で話しはじめた。
――――7年前、君の作ったイオン交換樹脂がダイエット・ブームに便乗するように爆発的に売れ始めた時、ある写真週刊誌に青年実業家特集というのが組まれ、俺はそれに出てしまった。いま考えると軽率なことをした。

