僕は青年と共に白木を抱えた。ナガシの中に彼の足を入れると、水を勢いよく出した。
ジャーー…………
僕の肩に掴まりながら、白木は震える声を出した。
「すまないね。手数を掛けて」
「いいえ。私が振り返った拍子に、肘にビンを引っ掛けたようです。謝るのは私のほうです」
「いや。先生の言う通り、あんな所に危険な物を置いておくほうが悪い」
「ありがとう。しかし、さっきは興奮して、そう叫んだが、明らかに私の不注意です。彼を叱らないでください」
「先生は潔いですな」
「処置が早いですから、軽い火傷とズボンの損害だけで済みそうですよ」
「これは大損害だ!」
と、白木は笑った。もう声は通常の調子に戻っていた。
「君、ここはいいから、アンモニアとピンセットを持って来なさい」
僕は隣の青年に命じた。
僕は青年の持って来たアンモニアを水で薄めた。そしてそれを患部のまわりにかけながら、ピンセットで皮膚からズボンの残骸を剥がしにかかった。
「イタタッ!」
顔を歪める白木を見ながら、僕は残酷な喜びを感じていた。
処置が終わると、「ありがとう」と言って出て行こうとしている白木を強く呼び止め、青年に救急箱を持って来させた。そして、火傷の薬を塗り、ゆっくりと包帯を巻いた。
ジャーー…………
僕の肩に掴まりながら、白木は震える声を出した。
「すまないね。手数を掛けて」
「いいえ。私が振り返った拍子に、肘にビンを引っ掛けたようです。謝るのは私のほうです」
「いや。先生の言う通り、あんな所に危険な物を置いておくほうが悪い」
「ありがとう。しかし、さっきは興奮して、そう叫んだが、明らかに私の不注意です。彼を叱らないでください」
「先生は潔いですな」
「処置が早いですから、軽い火傷とズボンの損害だけで済みそうですよ」
「これは大損害だ!」
と、白木は笑った。もう声は通常の調子に戻っていた。
「君、ここはいいから、アンモニアとピンセットを持って来なさい」
僕は隣の青年に命じた。
僕は青年の持って来たアンモニアを水で薄めた。そしてそれを患部のまわりにかけながら、ピンセットで皮膚からズボンの残骸を剥がしにかかった。
「イタタッ!」
顔を歪める白木を見ながら、僕は残酷な喜びを感じていた。
処置が終わると、「ありがとう」と言って出て行こうとしている白木を強く呼び止め、青年に救急箱を持って来させた。そして、火傷の薬を塗り、ゆっくりと包帯を巻いた。

