瞳に当惑が表われ、紅潮気味だった顔色は見るまに青くなった。
*
「社長、すぐに社長室にお戻りください」
と、青年が白木に言った。
「わかった」
(今帰したら優紀の身が危ない!)
僕は出て行こうとしている白木の肩を掴んだ。
「社長!オートメーション工場のほうも案内してください」
「すなまいが、今日は頭取と大事な話しが入っていたんだよ。あとは工場長の田口君に案内してもらってくれたまえ」
白木は手を上げると大声を出した。
「田口君!水島先生をよろしくたのみ……」
僕は言葉が終わる前に、目の前にあった濃塩酸のビンを手で払い、白木の足もとに飛ばした。
ビンはタイルの床の上で音を立てて割れ、液体は白木の膝から下を濡らした。
「アチッ!!」
白木の片足はウサギのように跳ね上った。
僕は大声を上げた。
「馬鹿者!誰だ!こんな所に劇物を置いておくのは!」
「すいません!すぐ片付けます」
「それより、社長の手当だ!」
白いズボンの膝から下が溶け、一部は露出した皮膚にへばりついていた。
「手伝え!」
「はい」
*
「社長、すぐに社長室にお戻りください」
と、青年が白木に言った。
「わかった」
(今帰したら優紀の身が危ない!)
僕は出て行こうとしている白木の肩を掴んだ。
「社長!オートメーション工場のほうも案内してください」
「すなまいが、今日は頭取と大事な話しが入っていたんだよ。あとは工場長の田口君に案内してもらってくれたまえ」
白木は手を上げると大声を出した。
「田口君!水島先生をよろしくたのみ……」
僕は言葉が終わる前に、目の前にあった濃塩酸のビンを手で払い、白木の足もとに飛ばした。
ビンはタイルの床の上で音を立てて割れ、液体は白木の膝から下を濡らした。
「アチッ!!」
白木の片足はウサギのように跳ね上った。
僕は大声を上げた。
「馬鹿者!誰だ!こんな所に劇物を置いておくのは!」
「すいません!すぐ片付けます」
「それより、社長の手当だ!」
白いズボンの膝から下が溶け、一部は露出した皮膚にへばりついていた。
「手伝え!」
「はい」

