青春を取り戻せ!

女子用の更衣室にスルリと入ると、用意しておいた白いつなぎに着替え、三角きんとマスクを着用した。それとホーキと塵取りを持ち、掃除婦に化けた。

そして男子用更衣室に侵入した。

白木のロッカーはすぐにわかったが、鍵が掛けてあった。

彼女は少しも慌てず、僕が懲役のお陰でプロ並になった腕で作った、木製の頑丈な塵取りをロッカーに立て掛け、その上に乗り、事前に正義の泥棒の柳沢が溶接を切っておいたフタの部分に手を掛けた。

フタを上にはずそうとしたが、しっかりはまっておりビクッともしない。力を加えた。

ギギギィーッ パッコォーン!

スチィールの擦れる音とフタの外れる音が工場中に響き渡るほど大きく鳴った気がした。

優紀は身の縮む思いを味わった。

取れたフタを宙に浮かせたまま、目だけを両方の入口に走らせた。白いつなぎの中の胸が大きく上下した。

……幸いなことに人影は現れなかった。
フタを音のしないように慎重に隣のロッカーの上に……。

カチャン
小さな音がした。顔をしかめた。

もう一度辺りを見回した後、ホーキの先に付けてある曲がった針金を操作し、ハンガーに掛けてある上着を引っ掛ける作業に入った。

手応えがあった。うまく掛かったようだ。

ゆっくりと引き上げた。

バシャーン

上着が下に落ちた。針金の掛かりが浅かったようだ。