青春を取り戻せ!

僕は今まで支えて貰った彼女に少しでも心の支えになれるように、思いの丈を込めて励ましの手紙を書いた。

……事故は優紀の責任では決してないということと、辛いだろうが頑張り、目標の大学に合格することがご両親の一番の供養になるというようなことを書いて送った。

彼女の返事は、疲れました。…今は大学に進学することは考えられません、というものだった。

僕は彼女の深いダメージを改めて感じ、毎日手紙を送った。
しかしその後は彼女からの手紙はなく、消息さえも知れず、気を揉むだけの日々が続いた。

そんな焦心と激励を込め、約一ヶ月欠かさず手紙をつづり続けた。

彼女からの首を長くしていた手紙がついに届いた。喜びと恐れで、震える指で封を切った。


―――― ありがとう。一時、自暴自棄になっていましたが、あなたから毎日送られて来る暖かい手紙にやっと自分を取り戻せました。 

私には誰もいないという暗黒のブラックホールから、あなたの優しい光が私を救い出してくれました。

一つお願いがあります。嘘でもいいですから、約束をください。

「君は僕の家族だ!ここから出たら君を妻にする!」

という力強い支えをください! 

家族をください! 愛をください!

………今だけの嘘でけっこうです。 そうすれば、これからもあなたを信じることで生きていけます。 ――――


僕は『お願いですから結婚してください』という文句を書いた。