泣きたい夜に

「望美!ごめん、待った?」

「10分遅刻ー!」


遅刻してきた友人の里奈を軽く咎めるように言うと
ぺろりと舌を出して、ごめんごめん!と可愛く言われる。


「んーもう!ナンパされまくっちゃったよ!」

「うっそォ!?ごめん、守っちには秘密だよ?
 里奈が怒られそう~」

「うそうそ、みーんな彼女に夢中で
 一人寂しく友人を待ってる私になんか見向きもしないよ」


里奈がさりげなく名を出した守っち…。
言ってないからしょうがない、今日言うつもりだったし。


「とりあえずお腹すいたや、わたし」

「いきなりそれ!?もう里奈ったら…私もだけど」