名前のなき想い



すると龍星は私を後ろから抱きしめ、

「姫優…
そんなに無理して笑わなくていいよ。
辛いなら辛いって言ってよ…」

「龍星?
本当に私は平気だから。」

「僕に嘘なんてつかなくていいよ。
先輩と姫優は僕から見ても羨ましいくらい仲が良くて幸せそうだったのに…
別れて悲しくないわけないでしょ?」

「そうだよ…
私は海翔といて凄く幸せだったよ…
別れて悲しいなんて嘘…
久しぶりに今日会って
改めて海翔の優しさに気づいた…
離れたくないって…
そう思った自分がいた…
でも私達は一緒にいちゃいけないから…
海翔の負担にはなりたくなかったから…
海翔は本当に私には勿体ないくらいいい人だった…」

気づいたら私は海翔への想いを喋っていた…

きっと私は誰かに聞いてほしかったんだと思う…

海翔には言えない、
海翔への本当の想いを…

気づいたら私は泣いていた…

涙を止めようと思っても
海翔への想いが大きすぎて止める事が出来なかった…

海翔は私に初めての気持ちを沢山くれた人だったから…

好きの気持ちも
悲しい気持ちも
怒りの気持ちも
幸せの気持ちも
寂しい気持ちも
全て海翔が初めて教えてくれた…

海翔の事を考えると
まだこんなにも胸が苦しくなる…

私はまだこんなにも海翔の事が大好きなんだ…