それからみかんに手を振ってバイバイと言い、私は教室を出て行った。
一人でとぼとぼ家路を歩いて行くつもりで、昇降口に向かった。
「お前が好きなヤツは、俺よりイケてんのか?」
校門に向かって歩いていると、声がかかった。
もちろんこんなことを言うのは、あいつしかいない。
「当たり前じゃん。
何で比べようとするの?
勝ちたいとでも思ってんの?
無理でしょ」
私は水上に対して、毒を吐く。
こんな発言をしていることこそ、論外だから。
「お前の目は節穴じゃねぇのか?
俺よりイイヤツなんか、そうそういないっつうのによ」
水上のその自信はどこから来るんだろう・・・
