病院独特の消毒液の匂いが鼻につく。 部屋の外では看護師が患者を呼ぶ声。 目の前には30代後半くらいの先生。 「先生。僕はあと どれくらい…。」 「朝陽さん。落ち着いて聞いてください」 「大丈夫です。」 「余命は…3ヶ月です。」 「さ…んかげつ…。」 今は1月。最期に桜 見えるかな。 「本当に延命治療はしないんですね?」 「はい。」 これだけはどんな事があっても 変えることのない決断。 余命を聞いて揺れる心を抑え答えた。