「なぁ棗。今年の夏休みどこ行く?」
「お前は俺の彼女か」
夏休み…まぁ、大抵は4人で
バカみたいに騒いでるんだろうけど…
4人と言うのは俺と楸也、あと
楸也の幼馴染みの
浅井 果歩(あさい かほ)と
俺の彼女の園村 唯(そのむら ゆい)。
ほぼ365日こいつらと一緒にいる。
「夏休みは海だろ!」
いつの間にか果歩と唯がいて
果歩は目を輝かせて叫んでいた。
「海か。うむ、なかなかええやん」
「待て。去年5回行ったんだぞ?」
そうだ。去年は計5回海へ行った。
楽しかったけど今年もまた海へ行くのは
気が引ける。
「夏!青い空!白い雲!そして」
「宿題」
沈黙が続いたのは言うまでもない。
ナイス。と親指立てると
満面の笑みを浮かべ唯も親指を立てた。
チャイムが鳴って俺等は
それぞれ席に着いた。
「…もう夏か」
なんてじじくさい事を呟いて
教科書を開きながら。
