あれから季節が巡って二学期。

もう三年の二学期かぁ…

もう少しで受験だ。


相変わらず、荻原真司のことは好きなまま。

そして、なぜか今日は、
「放課後教室に残ってて。」

って荻原真司にいわれたから、仕方なく教室で待っている。

早く来ないかなー。帰りたいのに。

『ガラガラッ』


「わりぃ!先生から呼ばれてて!待たせてごめん!」

そういって、肩で息をしている。

あー、急いできてくれたんだ。
なーんてうれしく思っちゃったりとか。


「んで、話があるんだけど…」

「ん?なーに?」

「あ、の。俺さ、女子って苦手でさ。」

…これ以上聞きたくない。なんか、好きになっちゃいけなかった気がしちゃう。

「で、でも!なんか、佐倉は自然と話せてて、なんていうか、その…女子の中で一番佐倉が話しやすくて!…」

え…?聞き間違いじゃないよ…ね?!

「だから…その、要するに…俺、佐倉が好きだから!付き合ってください!必ず毎日笑顔にさせてみせるから!」

…夢じゃないよね?現実だよね?
いま、荻原真司があたしのこと好きって…

「こちらこそ、よろしくお願いします。
その、ずっと荻原が好きで…」

こうして、あたしたちの恋はスタートした。