キーンコーンカーンコーン

チャイムが鳴った。やっと放課後だ!
さぁ、きょうは早くかえってドラマみるんだから!


 「柚葉ー?今日部活だよー?」

…あ。そーだ。忘れてた…

そう話しかけてきてくれたのは、部活が同じ、「宮崎花蓮 karen miyazaki」
この子はあたしと同じトロンボーンパートで、すごく仲がいい。


「花蓮!一緒に音楽室いこ!」

そういって、あたしたちは音楽室に。

音楽室につくとすぐに練習を開始する。

私たちの席は窓側なんだけど…

なんか飛んでくる。窓に向かって…何か白い…野球ボール?!

待って待って待って!今、窓全開だし!

このままくるとあたしに…

「ダンッ」
…何ともいえぬ、鈍い音が音楽室に響く。

「…ったぁー!痛い!」

めちゃくちゃ痛かった。ってか音楽室四階なのに。なぜここまで野球ボール飛んでくるのさ。

そう思いながらベランダにでて窓の下を見てみる。

が、野球部は誰一人としてこちらを向いていない。

しょーがない。渡しにいくか。

そう思い、一回まで降りて、グラウンドへ。

ちょうど目の前に野球部がいた。ボール渡しちゃお。

「あのー!これ、音楽室に…」

「あ?」

え、まって。あ?って。怖い。ってかこの人同じクラスの荻原真司…だよね?
まぁ、ボール渡して早く戻ろう。

「ボールがとんできたので、渡しにきました。じゃあ、失礼しまーす。」

よし。戻ろう!早く戻って大好きなトロンボーンを吹かなくちゃいけな…
「待って。」

吹かなくちゃいけないのー!!!待ちたくないー!!
とは思いつつも、素直に待つ。

「佐倉柚葉だよな?ありがとうな!じゃあな!」

…それだけ?なんかあの人、めっちゃきらきらスマイル残してみんなの元に戻っていったけど…
そんなことより、なんか今ちょっと、胸がドキってしたような。気のせい…だよね?
この行き場のない気持ち、どーしてくれんのさー!