あれから、2年が経ち3年生になった。


学校から、修学旅行も控えてるからせめて修学旅行だけは来ないか?


と言われたが、

絶対周りから、


「修学旅行に行きたいからきたの?」

「修学旅行ん時にこれんなら、毎日来いよ」

などと野次を飛ばされるに違いなかった。


だから、僕は

「考えておきます。」

とだけ応えた。


そして、修学旅行前日。

また学校から電話がきたが、受話器を取らなかった。

親にも学校から電話がきたら構わないでほしい。
と伝えていた。

だから、電話の呼び出し音が家中に響き渡った。


そして、留守番電話で

「修学旅行にだけでも良いから来い。周りに何が言われるから行こうとしてないだろ。でも少しは学校にこい。皆心配してるぞ。」


と、再生された。

僕はこの言葉を信じなかった。

なぜなら、

「皆心配してるぞ。」

意味が分からない。

心配なんかしている筈がない。

僕には友達がいないのだから。


心配してくれる友達なんかいる筈がなかった。


結局僕は修学旅行には行かなかった。

でも、内心周りにどう思われてもいいから、


「楽しみたかった。」


と思った。


でも、自分で引き籠ったのだから今更行ったところで不審に思われるだけだ。


それに、

「またいじめられる」

かも知れなかったからだ。


僕は弱い。

反撃はしたが負けた。

友達もいない。

誰も信じてくれる人がいない。

僕は一生こんな生活をして過ごすのかと思った。

だが、ある事を思い出したのだ。