「だって言ってないもん」
ここで急に話に参加してくるお父さん。
いい歳して言ってないもんって。テヘッとした顔で"もん"って何?普通に気持ち悪い。
そして何より今この状況。腹が立つ。
「お父さん…お願いがあるの」
お父さんの前に移動し見上げながら尋ねる。
「ん?どうした我が娘よ。なんでも言ってみろ」
ニコニコしながら私の言葉を待つ。
「イライラするから一発殴らせて」
見上げたままそう告げると一気に顔を青くし「ごめんなさぁぁい!!」と叫びながら去っていった。
はぁ…これで邪魔者は消えた。
事を終えた私はとりあえずお母さんの元へと戻る。
「んで、私はどうすればいいの?」
何より重要なのはお父さんを駆逐する事ではなく私がこれからしなければならないことだ。
その質問を待ってましたとでも言いたそうな顔で何やら大きめの紙袋を取り出したお母さん。
「はいこれ。必要なもの入ってるから着替えてらっしゃい」
重そうな紙袋を受け取り「ありがとう」と一言だけ行って部屋を出た。

