「ん?希龍の溜まり場だぞ?早く入れ」
いかにも当たり前だろって感じに返ってきた答え。
当の本人は何が気に入らないのか分からないらしくキョトンとした顔をしていた。
…なんかムカつく。
間抜け面なはずなのにかっこいいからさらにムカつく。
顔面ぐちゃぐちゃになればいいのに。
心の中でブツブツと文句を言いながら黒髪を睨む。
もちろんそんな事をしても無意味な訳で。
更に不思議そうな表情で、
「麗?なんかあったか?」
と、心配されてしまった。
学校の外だから気を使っているのか麗と呼んでくれてることに感心する。
何だか無視し続けてるのが申し訳なくなってきて「何でもない」とだけ返す。
そしてそのまま敵の倉庫へと足を踏み入れたのだった。

