入って思った事は1つ。


一人にしては広いリビングに多い個室。と言うか部屋。


テーブルやテレビ、ソファなど生活に必要なものはもちろん、冷蔵庫の中には大量の食材まで常備されている。


何が言いたいかと言うとホテルの部屋。


いや、ホテルの部屋以上だよね。


いちいち突っ込むのもめんどくさいため放置。


そんな事よりも済ませなければいけないのが荷物の整理。


入ってすぐの所にまとめてあったそれに手を伸ばす。



にしても…暑い。


一つ目のダンボールを開けたものの集中力が続くはずもなくボーッとし始める。



「取っちゃおうかな」



誰も見てないしいいよね。


誘惑に負けた私は涼しさを求めてウィッグを外す。


それと一緒にカラコンも外してしまった。


傷んでいない綺麗な金髪がおりてくると共に蒸れた空気が逃げ一気に楽になる。


目薬をせずに過ごしたせいか目は完全に乾ききっていた。


無駄に疲れたのはウィッグとカラコンのせいもあるのかも…髪を手で整えながらそんなことを思う。



多少楽になった私は一度大きく深呼吸し「よしっ」と気合を入れ直し残りの荷物を片付け始めた。