「貴方の情報が出ないのは何故です?」



出るわけが無い。


古城麗なんて存在しないんだから。


これがもし華城美希だとしても絶対に出ないけどね?


自分の情報は自分で守る。


世界No.1のハッカーとしてね。


もちろんこれもまだ秘密だけど。



「俺にもよく分からない。でも兄貴達がどっかの族入ってるからかな?」



言わないつもりではいてもこの人を欺く方法が思い浮かぶはずも無く苦し紛れの言い訳にすがるしかなかった。



「族、ですか。お兄さんの名前は?」



「悠哉。いいぞ」



何がいいのかはさっぱり分からない。

でも一つだけ確かな事がある。


私の尋問が終わった!!


今だけ黒髪に感謝!!今だけ!!



「じゃあもう行くから」



これ以上の尋問は受けたくない私は即座に屋上から逃げ出した。