「私は何も心当たりは無いけど」
「当たり前だよ」
うっすらと笑みを浮かべながら次々と意味のわからない言葉たちを並べ始める。
「でもね。幸せそうな君を見るとどうしようも無くイラついてくるんだ」
「は?」
拍子抜けだ。
たったそれだけの理由だった。
「理由なんてそれだけで十分じゃ無い?あの日そんな君が目に入ったから殺したくなった。でも死んだのは君のお兄さんだっけ?気の毒だったね」
そうだ。確かにあの日、瞬にぃは私を庇ったせいで、、、
私が幸せそうだったせいで。そのせいで大切な家族を失った。
「あっ、でもあの時の君の表情は傑作だったなぁ」
「・・・もう十分でしょ」
「あれ?怒らないんだ。もっと暴れるのを予想してたんだけど」
許せない。殺してやりたい。そう思ってた。
もちろん許せるわけない。でも殺したら、私がそうしてしまったらこいつと何も変わらない。
悲しいよ。瞬にぃがいなくなって。しかも私のせいで。
一番許せないのは私自身。何もできなかった自分。
でも、思い出した。大切なこと。
瞬にぃは最後に言ってくれた。幸せになれって。
だから諦めないよ。きっとみんなで笑って終わってやるんだから。
「さぁ決着をつけよう」
もう誰一人失いたくないから。

