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「美希!遅かったね〜っ!!」



気づけば屋上に来ていて、ぼんやりと愁斗の声が聞こえる気がする。


"銀羅"というワードを聞いてから自分でも自覚するくらいに上の空で周りの言葉が入ってこない。


平和だった日常が手の届かないことろに行ってしまうのではないか、今目の前で崩れていくのではないか、そんなことばかり考えていた。



ふと目に入った空はどこまでも澄んだ青。


時が経つにつれてだんだんと白く染まっていく。


やがて日の光を飲み込み染まりきったその空はまるで私の心を写しているかのようだった。



「美希!」



さっきまでぼんやりと聞こえていただけの声が急に鮮明に聞こえてきたことに驚きビクッと肩が揺れる。


振り返ってみてみれば声の主は陽。


でもその場の皆が私を不安そうな顔で見ていて悪いことをしたな、なんて今更思う。