ガラッと音を立てながら開くドア。


咄嗟に目を向けるとゾロゾロと数人の男達が入ってきた



「適当に自己紹介お願いします」



適当って……適当でいいの?


あんな自己紹介した私が言えたことじゃないけど。


呆れながらも改めて転校生に目を向ける。


そこでやっと私は翔ちゃんの謎の微笑みの意味を知った。


どこからどう見ても見覚えのある顔。


黒板の前に立っているのは4人の男達。


私がこの4人の顔を忘れるわけがない。



「なぁ、あれって…」



珍しく自分から質問してきた蓮に「そうだよ」と言葉を返す。


そう。その4人は…



「鈴木翼です」


「坂城凛だよ〜」


「秋山愁斗で~すっ」


「相澤陽」



私の大切な仲間。舞蘭のメンバー。


一応男子校だからなのかしっかり男装している凛を除いて他のメンバーはそのまんま。


これじゃあ見間違えようがない。



「席は……何処でもいいんで適当に座ってください」



なんだか翔ちゃん…どうしたのかな…


適当すぎない?疲れてるのかな?


それともなんかあった…?


舞蘭の先代の中で一番好きなこともあってかやっぱり一番心配になる。


後で話でも聞いてあげよっ


私は密かにそう決めたのであった。