「美希、よく聞いてちょうだい?あなたの名前は古城麗(こじょうれい)よ。家の事は言っても言わなくてもいいわ。それとあの学校は全寮制よ。それじゃあ、いってらっしゃい!」



爽やかすぎる笑顔で見送られる私。


気がつくと兄達の姿はなく先に行ったんだろうなと思う。


それよりも一つだけ気になることがある。


どうしてもこれだけは聞き逃せなかった。



「…全寮制って言った?」



「また聞いてなかったの?荷物は全部送っておいたから心配無用よ!ほら、遅刻するから早く行きなさいっ!」



どうやら最初から拒否権なんて存在していなかったらしい。


強制的に行かされることになった高校。

不安しかない。



「い、行ってきます!」



内心モヤモヤしながらも言い訳するのも虚しくなり大人しく家を出た。