「実は…鴉弥ちゃんのご両親が

離婚する事になってね……」


__________何だ、そんな事か。


「…そ、そう」

私は大切な幼なじみの不幸に

喜びを覚えた。

自分の事じゃなくて良かった。

そう心から喜んでしまっている。

ごめんなさい、鴉弥。

私、最低過ぎる。

__________でも一つ

疑問が残る

「お父さん、鴉弥の両親

仲良かったよね?何で急に…」

そう、鴉弥の両親は

これでもかってくらいに

仲が良かった。

私が見た中では。

「それが急にでも無いんだよ」

「え…?」

急じゃない?

じゃあ__________

「いつから?」

いつからそんな話に…?

お母さんとお父さんが

顔を見合わせる。

「1ヶ月くらい前だったかしら…」

1ヶ月も前?

そういやその頃から

鴉弥が一段と暗くなってたな…

鴉弥は学校でいじめを受けていて

殆どの日は顔が暗く

友人も私ともう一人の

幼なじみ、生月(ハヅキ)しか

居ないくらいだ。

「鴉弥…」

私は静かに呟いた。