「華世ー、晩ごはんよー!」

いつの間にか寝ていた私。

お母さんは一階から何時もの様に

大きな声で私を呼ぶ。

今が普通過ぎてあの時の出来事は

全部夢にも思える。

「今、行くー!」

私もお母さん同様

何時も通りの大きな声で返事をした。

私の部屋は二階にあり

リビングに行くまで

少し時間が掛かる。

階段をタッタッタッと

軽い音を鳴らして駆け下りる。

「あれ?お父さんお帰り」

リビングにはお父さんが居た。

何時もは夜の9時半に帰宅する。

早くても9時に帰って来るのに…。

どうしたんだろう、と疑問を浮かべる。

「あ、あぁ。ただいま」

少し焦り気味の父。

「ねぇ、あなた。

あなたから話して頂戴。

私からはとても…」

お母さんがお父さんにそう言う。

一体、何が起こったの?

「……」

「……」

しばらくの沈黙。

リビングには

時計の音しか聞こえない。

カチ…カチ…カチ…………

「…なぁ、華世」

お父さんが口を開いた。

「な、何?」

緊張する中で

ゴクリと唾を飲み込む。

何?

何を言われるの?

聞きたくない__________

「実は________________」

この瞬間

私は目を丸くした。