「…と、いう訳なんです。」



さっきのことを全て話すと朱里とさやかは、互いに顔を見合わせた。



「うっそ…ありえない!」


「さっきのって、宮本でしょ?!え、まじ?」


さやかの言葉に一瞬、ん?となる。



「宮本って、さっきの人?」



するとさやかは、きょとんとして、笑い出した。



「あははははっ、えっ、付き合ったのに知らなかったの~?」



「うん、成り行きだからね」



そんな会話を聞きながら、朱里がため息をついた。



「加奈の将来が心配だわ」



「そういえば、なんでその人さやかが知ってんの?」



うちのクラスではないし、あんま見かけないし。



「あー、同じ中学だったから。それに一時期、宮本が咲原さん好きだって話も流れたからねー」



なるほど



咲原さんといえば、可愛くて優しくてと、全て揃った女の子だ。



私とは正反対だわ。




「まあ、なんか、嫌な予感するけど…。あ、今日駅前行かない?」



「行く行く!加奈は?」



さやかの言葉に、朱里は、手をビシッとあげて、私に尋ねた。



…駅前か。確かノートなかったや



「うん、行く」



「え、宮本いいの?」



「約束してないから平気」