「お先に失礼します」
「はい、お疲れ様」
すれ違いざまに朝霞先輩に声をかける。
ふわりと香るコロンに図らずも胸が高鳴った。
一瞬だけ目を合わせて挨拶をしただけだけど、
前髪からチラリとのぞく目元が優しい。
女子社員で目を合わせてくれるのは
私だけの特権。
きっとそうではないことは何と無く分かってはいるけれど、
もしかしたらそうであるという希望も捨てられない。
片想いって甘酸っぺえよぉ、と
溜め息を吐きながらエレベーターで一階のロビーまで降りる。
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