「愛里」


腕をしっかり掴まれた。



「はなしてっ…!」




「愛里、何があった」




言えない…


言いたくないよ…




「何もないってばっ!」





「愛里!」






「はなしてっ!優斗にはわかんないよっ!優斗なんか…しらないっ!」





思いっきり腕を動かすと、優斗がはなしてくれた。



勢いに任せて、校舎を走る。




「っ…」




やばい…


涙が止まらない。