「…あのーお話し中のところ悪いんですがー音ちゃん困ってるみたいだから…
もう少し離れて貰えませんか?」

そう言ったのに酔っぱらいは私のことをガン無視ですわ…

「…あのー聞いてます?音ちゃんから体離して下さい!」

そう言ったら酔っぱらいは怒りの表情を私に向けて

「だまれ…ブス!…」と言いやがった!

学や蓮兄から『ブス』や『ドブス』と言われ慣れている私でも、
殆ど知らない同級生からの言葉はかなりの衝撃と破壊力があり呆然としていると

「舞衣を『ブス』って呼んでいいのは俺だけなの…」

そう言いながら学が酔っぱらいを摘み上げて

「おーい!こいつ迷惑だから連れて帰って…」と彼の友人たちに指示している

あぁー助かった…

知らない俺様より近くの俺様…学に『ブス』って言われる方かマシだと初めて思ったよ!

音ちゃんを見ると何だか泣きそうな表情をしている

「音ちゃん…どうしたの?」

「舞衣ちゃん…私のせいで嫌な思いさせてごめんなさい…」

あの酔っぱらいのせいで音ちゃんが責任感じちゃったんだね?

「あははーー大丈夫だよ!音ちゃん

私ね…小さい頃から学や兄に『ブス』や『ドブス』って言われ続けてるから
免疫あるし、気にしないでね…」

何故か私が音ちゃんを慰める側に回っていた…