それなのに母に頼まれたお使いから帰った私の目に飛び込んで来たのは…

私のポシェットを勝手に持ち出して身に着けている愛美ちゃんの姿

それだけでは無く…

「メミちゃんそのバッグカワイイね!」って言われて

「…うん…メミのバッグ!」と言っていたから辛抱堪らん!

「メミちゃんのウソツキ…それは舞衣のだよ!」

両方の掌は親指を強く握り込み…体は怒りで震えている

そんな私を見て愛美ちゃんはまたシクシクと泣き出した…

私と愛美ちゃんのやり取りを傍で見ていた兄たちは

「ケチケチするなよ舞衣」だの「可愛いメミちゃんの方がバッグは似合う!」と言いたい放題だ…

それを聞いているうちにもうどうでもよくなって

「もうそんなポシェットいらない…メミちゃんの物にしたらいいよ!」

そう言い放って走って家に帰った

(その後、残された人たちの間でどんな会話があったのか私は知らなかったけれど…)

家に帰ってからも悲しくて悔しくて仕方なかった…

「可愛ければ何をしても許されるの?」

「シクシクと可愛く泣けば誰にでも同情されるの?」

ジリジリと悔し涙を流すことしか出来ない私はヤケクソ気味にそう思っていた