いちごパンツのポートレート


小原家は言わずと知れた子だくさん

【おやつの時間】にも一人に少しずつしかおやつも行き渡らない。

でも私は将来お菓子屋さんになりたいと本気で思った程のお菓子好きだったから

毎日与えられるおやつが…

例えばクッキーを3枚貰ったら1枚だけ食べて2枚は机の鍵の掛かる一番上の引き出しにしまい込む【おやつ貯金】なるものを小学1年生の私はコツコツと始めていた。

それは引き出しの中にバラエティー豊かなお菓子が一杯になった時、思う存分食べ尽く日を夢見て始めたことだった。

小原家の二軒隣りには父ヒロの高校時代の恩師宮城先生が偶然住んで居られた。

先生の奥様はふっくらとした丸顔で笑顔が素敵な優しいおばあちゃま

私たち兄妹を見かけるとよくお菓子をくださった。

私が中学生になった頃

宮城のおばあちゃまが笑って話してくれたのは…

「『優衣ちゃんお菓子あるわよ』って言ったら『ありがとう』って言ってその場でパクって食べちゃうのに
 
『舞衣ちゃんお菓子あるわよ』って言うと『あのね…うちに蓮兄も翔も春も優衣ねえも居るよ』って言うのよ

…だから舞衣ちゃんに声を掛ける時はお菓子が沢山ある時だったの舞衣ちゃんは兄妹思いの優しい子ね」

そう言ってくださったのだけれど…

私は幼すぎたから?

その事を全く覚えておらず…

自分がしていた事がとても恥ずかしかった。