「残念だけど…
この絵はポスターには成らないんだ、でも君の住所を教えてくれたら
この絵をプリントして送ってあげるよ、それでもイイかい?」
蓮は柄にもない事を言っている自分が可笑しかった。
男の子は嬉しそうに「ママァーー」と母親を呼びに行ってしまう。
暫くすると男の子は母親を連れだってやって来た。
「このお兄さんがこの絵を送ってくれるって、だから家の場所教えてあげて」そう母親にせがむ。
まだ若く上品な母親は申し訳なさそうにしている。
蓮は名刺を母親に手渡し「お気になさらずに、彼が大人になって俺に仕事を依頼してくれるかも知れませんからプロモーションですよ。」そう言ったら…
「それなら…ほんとにプロモーションになるかも知れませんね。」とニッコリ微笑んで住所を教えてくれた。


