お茶を飲んで帰るつもりでやって来たホテルのラウンジ…
きっと秋山部長は俺にその娘を紹介したら先に帰って行くだろうと予想して何と言ってお断りしよう…
そればかり考えて緊張していた
秋山部長が笑顔でこちらに向って歩いてくる女性に手を振っている。
俺はその女性の顔を見て心の底から驚いたんだ…
「小原…土曜日来なかったら一生後悔するから必ず来いよ!」
そう言った秋山部長の言葉の意味を漸く理解したのだ…
「マスターは名前知ってるかな?」の呟きだけで部長には俺が好きになった人が彼女だと分かったのだろうか?唯の偶然だとしても…
秋山部長には敵わない…
部長のくれたチャンスを絶対に無駄にはしない!
部長が帰った後に彼女に何と言って告白しようか?
頭の中で告白の言葉ばかりがグルグルと渦を巻いていた。


