それから程なくして…
秋山さんが紹介したいという部下の人と三人で『気軽にお茶をしよう』とホテルのラウンジで待ち合わせをした。
約束の5分前にホテルのラウンジで秋山さんの名前を伝えホテルの人に席まで案内して貰う
私に気が付いた秋山さんは笑顔で私に手を振り合図をしてくれている…
その傍で緊張している様子の男性を見て「あっ!」と声が漏れた。
「優子ちゃん…今日はありがとう
こいつが部下の小原裕(オハラヒロ)入社3年目の25歳
無口だけど真面目で誠実な将来性がある優良物件だよ!」
「小原…この娘(こ)は槙野優子(マキノユウコ)ちゃん
春山学院大学の4年生、明るくて素直なお嬢さん
良い奥さんになること間違いなし!俺が太鼓判を押すよ」
秋山さんのいきなりの説明で口を開く隙を与えて貰えないうちに互いの紹介が済んでしまった…
「「あの…先日は」」
「…すみませんでした「ありがとうございました」と互いに頭を下げ合った。
ニコニコと優しく微笑む秋山さんは私たちに面識がある事に驚いた様子が全く見えない。
そんな秋山さんに私の方が返って戸惑ってしまったのだけれど…
小原さんと初めてお会いした際の出来事を簡単に私から説明させて貰った。
それから私は紅茶を秋山さんと小原さんはコーヒーを頼み一緒に飲みながら
秋山さんが会社での小原さんの様子などを面白おかしく話しをくれたのだが…
コーヒーを飲み終えると伝票を持って立ち上がり
「俺はもう帰るから二人でデートでもしたら…じゃあお先」と私にウインクをして帰ってしまった。


