──場所移そって言ったくせに、野村に引き込まれたのはカラオケ。
「俺、金欠でさー。いいよね、シャワー浴びてきたんなら」
「っあたし、そういうつもりじゃ──」
「はいはい、そうだよねー、表面上は。本音は二人きりになってから教えて」
だから、嫌だっつってんでしょ!?
マジでやめてよ。てか、2人きりになったらあんた襲ってくるでしょ、絶対。
「っやめてよ、マジで! あたし、野村と付き合う気なんてないからッ」
ルームの前まで引きずってこられて、最後の抵抗で叫ぶと、彼はきょとんと首を傾げる。
「そんなの俺もだよ? セフレでいいじゃん? 藍羅、言ってただろ、昨日。彼氏と全然シてないって。だから、俺と──」
「シたの!?」
「覚えてないのかよ」
「当たり前でしょ!?」
「……だよなー。藍羅、完全に酔いつぶれてたし」



