「藍羅、話して、全部」
「やだ」
「藍羅」
「嫌! 話したら爽汰、あたしのこと嫌いになるもん!」
「なんねぇよッ」
「なるもんっ」
うわぁあああああ……。
やばい。やばいです。年に1度泣くかなかないかの藍羅が。
どんなに感動する小説や漫画やドラマや映画やドキュメンタリーを見ても泣かない藍羅が。
何で、今、泣くんですか。
俺の背中を、冷や汗が流れた。
大事なことだから、もう一度言う。
藍羅は、年に一度泣くか泣かないかって程、泣かない。(もしかしたら俺の前でだけかもだけど)
中学ん時、「調子乗ってる」ってクラスメイトから階段から突き落とされた時も、嫌いなピーマン食べる時も、お父さんに怒られた時も、受験に勝った時も、祖父が亡くなった時も────初めて俺とひとつになったあの夜でさえ、泣かなかった藍羅。
その藍羅が泣いているわけで。
俺、どうすればいいの!?



