「どうして……? ん、まぁ、気分的に」 藍羅は曖昧なセリフをこぼして、俺から離れる。 遠ざかった体温が、無性に寂しく感じて、彼女の頬に手を伸ばす。 まだまだ顔色が悪い彼女の頬は、氷のように冷たい。 「なに、それ。気分って、なに」 「気分。……爽汰と付き合えなくなっちゃった」 「他に好きな人できたってこと?」 「……んーん。違う。違うよ。でも、別れるの」 「嫌だ」 別れたいって思ってたくせに、拒絶の言葉はやけにあっさり溢れた。