唇を尖らせた彼が眉間にシワを寄せて、あたしに手招きする。 え。なんで爽汰がここに居るわけ!? びっくりして目を見開く。 寄って行こうと思ったけど──野村の顔が頭をかすめて、足を前へ出すことは出来なかった。 「藍羅、なにやってんの。おいで」 彼が、もう一度あたしの名前を呼ぶ。 ……なんでそんな不機嫌そうなの? 昨日の今日で、バレてるわけない、はず……なんだけど。でも、何か怒ってる?