「藍羅、今日飲みに行かない?」 「ごめん、今日は爽汰と会うから」 「あ~、泊まりだぁ?」 「……そういう事だから」 ニヤッと笑った由依の視線に曖昧に笑い返すと、彼女は満足そうに頷く。 「相変わらずラブラブなんだから! 今年ハタチなんだしそろそろ結婚じゃない?」 「……そうだと良いね。それじゃあ」 話が膨らまない内に切り上げようと右手をあげて席を立つと、由依がひらひらと手を振り返してくれた。