爽汰がバスルームから上がってきたから、ソファーに座らせて頭を拭いてあげる。 これは、3年前に爽汰が一人暮らしを始めた頃から、知らず知らずのうちに当たり前になっていた。 タオルで水気をとって3分もドライヤーを当てれば簡単に乾いた。 「ありがと、藍羅」 終わったら爽汰が振り返ってあたしの頭を撫でるのもいつものこと。 仄かに茶色いくりくりの瞳を細めて笑う彼の、ゴツゴツした、でも優しい手のひらが好きだ。