「待ってよ~!倉田さん」

西森くんは、私を呼び止めた。

「一緒に帰る約束したよね?なのに、なんで先に帰んの?」

「私は...一緒に帰るなんて、一言もいってない。」

もう、我慢の限界だった。全てを吐き出したかった。

「だいたい、なんで...私に関わるの?西森くんは、人気者なんだから、私なんか放っといてよ!」

しばらくの沈黙がながれる。

私に失望しただろうか。でも、それでもいい。

私から、離れてほしかった。

「それはできない。」

予想外の答えだった。

「俺、倉田さんの事放っておけないから。」

「っ...!バカじゃないの!?」

私は、その場から逃げ出してしまった。

ただ、ただ逃げ続けた。

やだ。やだ。やだ。

こんなときに限って、あの日の事を思い出してしまう。