そして結局放課後になってしまった。

あいつは大丈夫だよ!って言ってたけど、俺は二人っきりのほうが良かった。

って、俺あいつのことばっかり考えててキモい…。



「海斗行くぞー。」

「おう。」



ーガラッ



「橘くんっ!」


体育館にはすでにあいつがいた。


「よっ!」

「おい海斗!どーいうことだよ!?」

「色々あるんだよ。」


智也はあいつを見るなり興奮して俺に質問攻め。

面倒くさいやつなのにあいつはちゃんと挨拶をしてる。


「ど、どうも…。早川柚菜です…!」

「よろしくなー!俺は中瀬智也!」

「橘くんから聞いてました!」

「あ、そうなのか。柚菜ちゃん2年E組だっけ?」

「そ、、そうです…。」


智也は初対面にも関わらずあいつのことを"柚菜ちゃん"と呼び、
いつの間にかクラスまで把握していた。

なんなんだよ…。



「あっ…橘くんやっぱり私今日いないほうがいいよね…?」


俺がイライラしてるのを見てか、あいつは帰ろうとしている。

おまえのせいじゃないのに…。


「別に大丈夫…「柚菜ちゃん見てってよー!俺と海斗どっちがうまいか!」


結局、智也の言葉であいつは帰るのをやめた。

なんでこんなに俺は智也に張り合ってるんだ…?

あいつの一つ一つの言動が気になってしょうがない。